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kurenai

 

2015
9月 1
(火)
17:40
命の花
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私が
市町村の保険者で勤務していた時

介護保険の要介護認定の
調査業務を
担当していた事があった

業務は
調査対象者がいらっしゃる

ご自宅や施設
或いは病院などへ出向き

お身体や精神、認知面等の
確認をさせていただく内容

その中で
握力を測るために

直接
対象者の方の手を
握ることがあるのだが

私には
どうしても苦手で仕方がなかった


手を握ることで

ちょうどパソコンにUSBカードを
差し込んだ時のように

相手の感情や
その方に実際起こった出来事など
過去、未来の様子が

手を通して

そのまま
私に伝わってきてしまうのだ


寝たきりで

ほぼ意思の疎通がとれない方でも

手を介すと
辛さや哀しみなどの感情が

洪水のように
みるみる、伝わってきて

仕事中にも関わらず

その方の気持ち

そのものになり

胸が詰まり
涙が溢れることもあり…


この業務は
特に
冷静さを必要とするので

それからは

なるべく対象者の方と
握手をすることを
避けるようにしていた


ただ
ある時

施設にいらした
ターミナル(終末期)の方の
調査時に

ご本人は言葉も話せないため

施設職員の方が同席され

調査が
一通り終わった後に

「手を握ってあげてくれませんか」
と…

ご家族も
なかなか最近
面会に来られない方で、と

懇願するように言われ

私は
断ることができずに

その方の手を

そっと握った

寝たきりの方とは
思えない程の力強い握力で

また
しっかりと私の目を見てくださり
驚いてしまった

手を離そうとしたが

なかなか
離してはくれなかった


その夜

私は家に帰り
熱がでた

風邪かな

いや
疲れだろうか

考える思考も鈍くなる程に

原因不明の熱が
どんどん上がり

とうとう
二日も寝込んでしまった


三日目の朝

微熱になり
ようやく
仕事に行くことができた

お昼休みが
もうすぐという時に

先日、行った施設から
電話があり

調査をしたターミナルの方が

今朝
亡くなられたとの事だった


私の
原因不明の高熱も

気がつけば

いつもの自分の
体温に戻っていた



亡くなる前は

全てが
弱くなるものではないかと

なんとなく
想像していたのだが

命を終える

その最期にこそ

ありったけのエネルギーを

人は
放出するのではないか


生きたい

無念

逢いたかった

そして

感謝も…


いろんな思いや感情が

魂に
エネルギーを与え

熱を込め

人はまるで
最後の花火のように

熱そのものに
なるのではないか

その花火を

熱の欠片を

最期の命の花を

私は見たんだと


夏の夜空にあがる花火が

美しくも

哀愁があるのは


命の熱と


どこか

似ているからかもしれない